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2007.02.16

「マディソン郡の橋」で

ネコ中心のブログなのではありますが、今日はちょっと映画と心理のお話・・・。(^^ヾ

もうかれこれ10年以上前の映画「マディソン郡の橋」を再度見る機会がありました。
この映画の中に心理分析的なテーマが多く隠されているということで、ある講座の中で取り上げられました。

この映画、公開された当時には原作も含めて、いい作品だと言う人と駄作という人が分かれた作品でもありました。私は小説を読んでいないのですが、映画は配役(クリント・イーストウッドだったこと)もあり、結構好きでした。

心理学的には、いわゆる「生涯発達段階における中年期の危機」をどのように乗り越え、その後の人生をどのように歩んだか、ということと、次世代への継承という老年期の発達段階での意味(英知)とがあるという話。
あとは、物語の主流となる「ロマンチック・ラブ」の存在。
ロマンチック・ラブとは、ヨーロッパ文化に流れる霊的な愛のことだとか。霊的な出会いによって結ばれた愛は、何にも変えがたい精神的な充実感を与える・・たとえ共にいなくても。そんな心が主題になった映画は、数知れずありますね? 私がふと思い出したのは「イングリッシュ・ペイシェント」などの映画。この映画も賛否両論分かれた映画でしたっけ・・。

外的現実と内的現実との違いを見つめる中年期。
ユングは「中年は人生の観点を変える時期である」と言ったそうですが、まさにそれは実感している今日この頃。

この橋は、確か火事で消失したとニュースで聞きましたが、映画の中にはきっちりと美しく映像で残っていて、これはこれで、小説になり映画になったことで半永久的に残るという、まさに縁とも言える結末でしょうか。

でも、こうして分析的に映画を観るのはたまには面白いけれど、やはり心で感じたままに観て、あえて多くを語らずに心の中に大事に温めておく方が、私は好きです。もちろん。(^^;

カンタロウとミミはロバートとフランチェスカとは程遠く、こうして一緒にいるのが珍しいくらいに「マイペース」の関係でございます。・・・本日、出番が少なくて申し訳ございません。(^^;

070215

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コメント

「マディソン郡の橋」は話題作ですよね。
私自身見てない映画ですが、日記を読ませてもらうと色々考えさせられますね。

>ユングは「中年は人生の観点を変える時期である」と言ったそうですが、まさにそれは実感している今日この頃。

もう高年になって還暦を迎えるんですがこれから先どうしていくか大きなテーマなんですよ!

投稿: beso | 2007.02.16 11:56

pixydustさん、こんばんは!
私は、残念ながらこの映画を見ていなくてコメントができないのですが・・・。
>ユングは「中年は人生の観点を変える時期である」と言ったそうです
私も今、人生の観点が大きく変化している時期であると感じているところです。
というか、大きく迷いだしていて、むしろ三十代の時の方が確固たる人生の観点を持っていたような気がします。
今、大きく自分の人生観のようなものが揺れています。

投稿: はっP | 2007.02.16 23:39

pixydustさん、こんばんは。この映画、確かに賛否両論ありましたよね。雨の中でたたずむクリント・イーストウッドの額に淋しげに張り付いた濡れた前髪がまるでワカメみたいで・・・(雰囲気ぶち壊して申し訳ない)なんだか哀れっぽかった覚えがあります。小説を先に読んでロマンチックなイメージを膨らませすぎていたのがいけなかったのか?「中年期の危機」と「ロマンチックラブ」ですか・・・なるほど。pixydustさんと同じく敢えて語らずのほうがいいかもしれません。なんとなく後味がすっきりしなかった映画です。

投稿: キム | 2007.02.17 00:24

おはようございます。
 わたしも、この映画は、テレビで観た記憶があります。キムさんのおっしゃるように、最後のシーンが映像として残っています。本は読んではいませんが。
私も、敢えて語らず、自分の心のままに・・・です。

私も、今が、人生の観点を変える時期、と思っています。が、考えすぎると先が不安になる、ゆれています。

ミミちゃん、カンタロー君、貴重?なツーショットですね^^
仲良ししてますね^^

投稿: みい | 2007.02.17 10:16

pixydustさん、こんにちは。
「生涯発達段階における中年期の危機」に体験的に共感している今日この頃です(^^;私もロマンチック・ラブとの出会いでこの危機を乗り越えたいものです。。。ユング派的に見ると、アニマやアニムスの統合の問題かもしれないと、自分に重ねて思ったりしました。
そういえば、ずいぶん昔に本のほうを読ませていただきましたが、そうやって分析的に見てみると映画や文学も違った味わいがありますよね。といいつつ、私もただ、味わう方が好きな派です(^^ゞ

投稿: ぴい | 2007.02.17 11:10

そういえば、「マディソン郡の橋」は賛否両論ありましたね。
随分昔に観たのではっきりとは覚えてないのですが、私は共感を覚えた映画でした。
当時、実際にその橋のところへ、一度行ってみたいものだなと思ったりしてました。

もう一度観直してみようかな。

投稿: シモン | 2007.02.17 23:18

★besoさん
還暦は今の時代ではまだ中年期に属すると思うのですが、ここから10年くらいの間に老年期への橋渡しをする時期になるのでしょうね。
人生の来し方を振り返り、これからの人生について考える時期というものになるのでしょうか。次世代へバトンタッチするまでには、実際にはまだまだ間がありますが、その準備をし始める時期にはなるので、私も少しずつ、精神面で残せるものが何なのか、見つめることが大切だと感じ始めています。物質面では、何も残せないかもしれませんしね。(^^;

★はっPさん
確かに30代と40代とでは、観点が変わりますね。40代と50代とでも大きく変わる時期かと思いますが、この時期は、人生にとっても大きな変化の時期だと思います。思春期のそれに次いで。
人生の前半は多かれ少なかれ、外的世界に適応することを求められてきました。でも、こうして獲得されてきた自分とは異質な側面の自分が、中年期なって動き出す・・これはある意味、順当な出来事なのですね。
人間の精神は、そういう風に成長するようになっているというのか・・。ですから、ここでの葛藤は予定されていることと思えば、また少し楽に観られるかもしれないですね。私も40代前半から後半にかけて、特にそういう時期だったのではないかと感じています。今は少し峠を越えた気分ですが、まだまだこれから、なのでしょうね。(^^;

★キムさん
確かにあの映画の雨の場面・・クリントさんの髪の毛は寂しそうでした。(^^;52歳の設定だったそうですね。そういわれれば、そうなんだろう・・と。青春時代のように決して若くはないし、衰えが見える年頃・・人生の秋にあたる人たちの、違う側面での精神の触れ合いと捉えると、私には、彼の髪も、彼女の中年体型や皺も、等身大なのだろう・・とは思えました。まさに、これが現実の世界。(^^;内的現実とは、また違うものがそこにあり、まだまだ家族のために時間を割くという現実も待っている・・それが中年期なのでしょうね。
ラブストーリーとしては、確かにキムさんのおっしゃるように、小説を読んでいるときのイメージって大きいですよねぇ・・。(^^)

★みいさん
人生の折り返し点を過ぎて、これまでの自分の時間を振り返り、この後の自分の行く道が少し見えてくると、今度はそれを整理しなければならない時期ということなのでしょうね。だからこそ、精神や魂の成長を必要とするのかもしれませんね。身体は衰えても、その分精神が成長し続けると考えると、これからある意味、楽しいといえば、楽しい・・そうとも考えられるのかな・・そう思いたいですね。(^^)

★ぴいさん
ユング的な統合・・難しいですが、セルフや集合無意識などなど・・そして共時性など、ユングの考え方には東洋思想とつながる共感を覚えます。内的現実の世界を持つ事が、つまりはぴいさんのおっしゃる統合になるのかな?彼女は、内的現実を持つことで、外的現実を受け入れ、その生涯を終えました。男性・女性という現実の区分けに関係なく、精神や魂の通じる体験を持つ事が、その外的現実をも受け容ることにつながる・・・これはまさに実感です。
それにしても、同じものを見聞きして感動し、同じものに心動かされるという体験は、単純なようでいて、大切なことですね。(^^)

★シモンさん
あの橋、火事でなくなってしまったというニュースを聞いてショックだったのを覚えています。再建されているのかどうかは分かりませんが・・。あの真夏の暑さと橋と川と、農地と、キッチンでのアイスティーという組み合わせ・・そしてラジオから流れる当時の曲は、なんとも不思議な懐かしさを感じさせる気がしました。
ちなみに、夫の立場について語る人も当時はありましたが、シモンさんはどのように感じられたのでしょうか?夫はどこまで感じていたのでしょうね?そんなことを考えるのも、この映画での余韻だったように思います。

投稿: pixydust | 2007.02.20 01:24

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