原作と映画:ゲド戦記
実はこのブログのタイトル「空飛びネコ」は本家HPのタイトルからとったもので、その本家タイトルの由縁は「ゲド戦記」の作者アーシュラ・K・ルグィンの書いた絵本「空飛び猫」から頂いたものなんです。20年近く前、私が児童文学の素晴らしさに感動したのもこの「ゲド戦記」でした。
だから、この作品がジブリでアニメ化されると聞いて、果たしてあのアースシーの世界・ゲドという人物をどのように表現できるのだろうという期待にも疑問にも似た気持ちはありました。
私自身、映画はまだ観ていませんが、試写を見た原作者のル・グィンさんがコメントを出しているのを読むと(おおよその和訳はこちら)、やはりこれは原作とは別ものの作品である、ということのようです。
それはそれで、別のもの・・それでいいのです。ただ、映画を観た人達が、原作を読んでみたくなるような作品であって欲しいと願うところです。
「ネバーエンディングストーリー」が、同じく私の好きなミヒャエル・エンデの「はてしない物語」とは全く別ものだったけれど、映画第二作が出たほどにヒットしたのであれば、きっと観客の中には後に原作を読んで、別の感動を覚えた人もあったのでしょうから・・。
今回は映画館には行きませんが、テレビで放映されるようになったら、ゲド戦記は見てみます。大好きなトトロを作ったジブリさんですものね。
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コメント
映画を見ました。
テーマはよくわかるのですが、説明不足のところもあって、ストーリィを知らない人にはすっと理解できないかな。
絵はきれいです。
投稿: 朱夏 | 2006.08.22 11:32
原作と映画は別物、そういうのは多いですね。
私は、スタジオ・ジブリの「風の谷のナウシカ」を見て、原作も読みたくなり、原作の漫画を買いました。
漫画の方はもっと長いストーリーで、映画はその前半の一部だけでした。後半の方が重いテーマでした。
原作を読んでいて映画を見るとイメージが違ってがっかりすることもあるのですが、映画を見て原作を読むというのはけっこういいかもしれません。
投稿: マサエ。 | 2006.08.22 11:32
★朱夏さん、
よく映画をご覧になっているんですね。羨ましい・・。
ルグゥインさんによると、「私は、ラマ馬が耳を動かして感情を表現するところが好きでした。また、水を引いたり、畑を耕したり、馬小屋での動物のシーンなどは、映像から土の匂いがして来るようで、とても気に入りました。」と言われているようですね。また竜が翼をたたむところなどが美しかったという感想も書かれているので、そういう場面は観てみたい気がします。
★マサエ。さん、
宮崎駿さんは、昔ゲド戦記を映画化できなかったので、その思いを「風の谷のナウシカ」で表現したとおっしゃっているようですね。底に流れるテーマには似たものがあるのでしょうか。私はナウシカを観たのが遅かったので(他の話に似たところもあったという印象で)、すごく感動したという記憶はないのですが、やはり原作で表現したいことは、二時間では厳しいのでしょうね。
映画⇒原作 の方が、確かに抵抗が少ないかもしれませんね。原作⇒映画だと、イメージしていたキャラクターが現実化して、「イメージと違う」となりがちですものねぇ。(^^;
投稿: pixydust | 2006.08.22 12:43
確かに原作→映画だとガッカリすることが多いですが(典型的なので「ダヴィンチ・コード」)逆のパターンだと二倍楽しめるかもしれませんね。映画が先だと取っ掛かり易いこともあるし・・・宮崎駿監督の作品は私も大~好きです。中でも「となりのトトロ」はビデオで何度も見ました。「風の谷のナウシカ」もいいですよね★私の場合気に入るとキャラクターまで欲しくなり、真っ黒クロスケやジジは旅行のお供にもなっています(自分の代わりにモデルになってもらうため)ミヒャエル・エンデはロアルド・ダールやC.S.ルイスと並んで子供達のお気に入り作家でした。「果てしない物語」はpixydustさんがおっしゃるように本で読んだほうがずっといいと思いました。「チャーリーとチョコレート工場」は映画もパロディが盛り込まれていて大いに楽しめました。ナルニア国物語「ライオンと魔女」はご覧になりましたか?よかったですよ♪それにしてもハリーポッターシリーズや「不思議の国のアリス」と異次元への入り口という点ですごく似ているのが不思議です。イギリス児童文学の特徴なのでしょうか?
「ゲド戦記」というのはpixydustさんのブログで初めて知りました。有難うございました。これこそ、映画から入っていきそう(^^)「空飛び猫」も興味深いです。
投稿: キム | 2006.08.26 00:53
★キムさん、
ダビンチコードの映画、そうだったんですね。色々な人からは原作を読まないと映画だけでは分かり難いという話を聞いています。まだどちらもチャレンジしていませんが・・。
私もジブリではトトロが一番好きなんですよ。ファンタジーの世界を見事に表現している、夢のある作品だと思います。トトロやネコバスたちが、余計なセリフを言わないところが、特にファンタジーだと思い、そこが好きなんですよねぇ・・。
キムさんのお子さんたちもエンデやルイスがお好きだったんですね。エンデでは、「モモ」も好きな作品です。そのほかにも読みましたが、やはり果てしない物語とモモがベスト2でした。ルイスは、ナルニアの3巻くらいまで読み聞かせをしました。その後子ども達の興味が薄れたので、それ以降は読んでいません。チョコレート工場は、昔の映画を見ました。デップさんのが見たいのですが。(^^;原作は読んでいないのですが、その昔見た映画の印象が、ちょっと私には教条的で好きになれなかったので、原作を敬遠してしまったという経緯があります。ゲド戦記も、そんなことにならなければ良いのですが・・。(^^;
ハリーポッターシリーズは家にありますが、私はまだ読んでいません。娘が大好きです。アリスは、あれはまたちょっと傾向が違いますね。ちょっと作者も変わった人だったようですが、いずれにしても、ウサギの穴やタンスや、ドラゴンや・・そんなものを通過してファンタジーの国へ行ける、想像力の世界が、私も実は大好きです。
ウサギ穴といえば、指輪物語の後日談になるホビットの冒険も、そんなのが出てきましたねぇ。児童文学大好きなので、こういう話は尽きません。(^^ヾ
投稿: pixydust | 2006.08.26 23:31