憂いの傍ら
写真の花は、庭のローズマリーです。こういう小さな薄いブルーの花も大好きなのです。ハーブは特に、その香りに癒されます。
シスターの渡辺和子さんの著書は、今の仕事に出会った直後、偶然本屋さんで見つけました。かれこれ15年以上昔のことです。「愛を込めて生きる」「美しい人へ」など、HPの本のコーナーにも紹介していました。
今日、その渡辺和子さんの講演を聴くことができました。聴けるようになったのも、研修で伺っている病院の担当者の方が入院され、そのお見舞いに「愛を込めて生きる」をプレゼントしたところから、偶然「来月この病院に講演に見えますよ」ということを教えてもらったからです。それ自体が共時性というのか、ご縁を感じました。
さて、そのお話の中で、「優しいという字は、憂うという字に人偏ですね。自分の憂いの傍らに佇んでいる人の姿です。」という言葉が、とても印象に残りました。憂いの傍らいにいながら、他者の傍らにいられるのは、強さでもあります。優しさと強さは、対極のものではありません。」ということも言われました。
カウンセラーとしての学びをする中で、自分自身の防衛機制(心の痛みを自分で感じないように自分で蓋をする心の働き)を見つめるという出来事がありました。目の前のことに、どうして自分の心がザワザワするのか。それを見つめる作業・・それはそれは、因幡の白兎みたいな体験でしたが、そのときに流した涙は、まるで、小さな子どもが思い切り泣いて、泣き疲れるまで泣いたあとの、あのすっきり感に似たものがあって、丸ごと子どもの自分がいました。この体験と、渡辺シスターの「憂いの傍ら」という言葉が、なにかすっきりと結びついたような今夜でした。
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コメント
出会うべくしての出会いでしょうか。心に響く言葉の数々・・・胸に染み入ります。
「愛を込めて生きる」読んでみたくなりました。
丸ごと子どもの体験・・・そうなんです。私はこの体験をする度に自分の皮がむけて中からツルンとしたゆで卵みたいな自分が出てくる感じがします。そうしてまた、揺れや不完全さにお付き合いできる幅が広がるような・・・
私事ですが、昨日たまたまスーパーバイズ受けて、「もっと自由でいい」と言われ、自由になれない自分の根底に安心感の足りなさを実感してました。自分を守る必要がなくなったとき、人は強くも優しくもなれる気がしている今夜です。
投稿: アロエリーナ | 2005.10.02 00:08
アロエリーナさん、こんにちは。
ゆで卵がつるん、ですか・・うーん、分かる気がする。(^^)
「もっと自由でいい」・・「自由になれない」・・「自由にならない」・・それらの間で考えていると、難しいようにも感じられますね。
自由って、自己責任で行動を選択すること、とも言えますよね?選ぶも選ばないも、自己の責任において自由だとすると、今まで選んでこなかった道に、責任を取れそうにないことが起こるから?それが「安心感」の足りなさということになるんでしょうか?
うーん、難しいです。自分の中で何に価値をおくかの優先順位がキーポイントにもなりますか?
投稿: pixydust | 2005.10.02 02:51
一生懸命意味を考えてくださるpixydustさんの優しさありがとうございます。
『憂いの傍らにいながら、他者の傍らにいられる強さ』・・・と通じるものを私は感じたのですが・・・「もっと自由でいい」っていうのは、「自己一致した私で聴けばいい」「形や形式にとらわれないでいい」「素直に表現していい」って言う意味の言葉だったと思ってください。
自己一致した状態で素直に聴くのを邪魔していたのは、「こんなこと言っったら傷つけるんじゃないか」、「受容しなくっちゃ」とか「この人このままじゃもっと苦しむんじゃないか」とかいう恐怖感でした。
恐怖の中にいるとき人は優しくもなれない、強くもなれない。自分も相手も信頼できるだけの安心感の中でこそ、憂いの傍らにいられるし、憂いの傍らにいながら他者の傍らにいられるんじゃないかな~って・・・・
優しさと強さは対極じゃない・・・
この言葉は、先日見た「シンデレラマン」の主人公を思い出させてくれます。
また、また話が飛びましたね(^^;
そろそろこの辺で失礼します。
投稿: アロエリーナ | 2005.10.02 17:41
アロエリーナさん、こんばんは。
あ・・・すみません。(^^ヾ
自己一致という自由さですね・・・。これはまた、難しいですね・・。でも、少しでも近づけたら、何より自分の人生そのものも楽しくなるような気がします。
渡辺和子さんはカトリックのシスターなので、「祈り」を大切にされていますが、その聖職者でも、ついつい形に流されることがあるとおっしゃっていました。あるとき、「祈りを唱える人ではなく、祈りの人になりなさい」と言われてはっとしたと話されていました。
シンデレラマン、良い映画のようですね。
私も見たい映画ですが、最近映画そのものから遠ざかっていて、残念。(TT)
投稿: pixydust | 2005.10.03 00:12